婚活を続けていると、「なぜかうまくいかない」と感じることがあります。
プロフィールは整っている。写真も綺麗。会話も丁寧。
でも、申し込んでも断られる。会っても次につながらない。
「年齢のせいかな」
「相手が見る目ないのかも」
「自分に合う人が少ない」
そんなふうに、理由を探してしまうこともあるかもしれません。
でも、もしかしたら——
その“うまくいかない理由”は、もっと見えにくいところにあるのかもしれません。
一冊の本との出会い
私は以前、『小さな箱から脱出する方法』という本に出会いました。
少し不思議なタイトルですが、心の動きに静かに気づかせてくれる本です。
この本では、「箱」という言葉が使われています。
それは、自分の正しさに閉じこもってしまう心の状態のこと。
たとえば——
「私はちゃんとしてるのに」
「この人、なんか変だった」
「また同じパターンだ」
そんなふうに思っているとき、
私たちは無意識のうちに、相手を“人”ではなく“問題”として見てしまっている。
そしてその空気は、言葉にしなくても、相手に伝わってしまうのです。
婚活の現場でよくあること
見た目が整っていて、会話も丁寧。
条件も悪くない。
でも、なぜか次につながらない。
その理由は、本人には見えにくいけれど、相手には伝わってしまう“心の空気”。
「自分の幸せを、誰かに叶えてもらおうとしている」ような雰囲気が、
無意識に滲み出てしまうことがあるのです。
それは、悪気があるわけではありません。
むしろ、真剣だからこそ、うまくいかない理由を探してしまう。
でもそのとき、心の矢印が外に向いてしまうと、
相手との関係は、静かに止まってしまいます。
本との出会いが、世界の見え方を変えた
この本に出会ってから、私の“任”が少し変わりました。
誰かに何かをしてもらうのではなく、
自分がどう在るか、どう関わるかを考えるようになった。
すると、不思議なことに——
人との出会いが、前よりずっと楽しくなったのです。
「この人は、どんな人生を歩んできたんだろう」
「今、どんな気持ちでここにいるんだろう」
そんなふうに、相手を“人”として見るようになると、
出会いの一つひとつが、物語のように感じられるようになりました。
そして、婚活という時間も、
“誰かに選ばれる場”ではなく、
“誰かと心を通わせる場”という考え方に変わっていったのです。
美しさより、心の磨き方
美しさを保つことには、どうしても限界があります。
でも、心を磨くことには、終わりがありません。
そして私は思うのです。
婚活とは、心を磨くための、最高の時間なのではないかと。
誰かと向き合うたびに、自分の中の思い込みに気づく。
うまくいかない経験の中に、優しさや柔らかさを育てる種がある。
そうして少しずつ、
「選ばれる私」ではなく、「誰かと一緒に育っていける私」へと、
心が変わっていくのかもしれません。
婚活は、誰かに幸せにしてもらうものではない
婚活は、条件のマッチングではありません。
誰かに幸せにしてもらうものでもありません。
一緒に、幸せを育てていくもの。
その始まりは、心の箱に気づくことから。
「私はちゃんとしてるのに」ではなく、
「ふたりで心地よくいられるには、どうすればいい?」
その問いが、未来を変えていきます。





